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2008年06月22日 …【明朝体デザインの「キモ」とは】

明朝体デザインの今後(5)

前回は明朝体と楷書の構造差を意識することさえ難しいことを述べた。したがって他の書体になるとさらに混乱が助長される。
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上図は,そこに示された隷書の「居」が明朝体としてどの字形に該当するかという問題であるが,正解は上の「居」,すなわち常用字体でよいのである。そもそも隷書は小篆から派生した書体であり,小篆は下図のような形であった。

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前図の隷書の「居」は魏の王基残碑(二玄社『大書源』より引用)であるから当時の書風であり,そのころにはいまのシカバネの形は存在していなかったはずである(もちろん,構造がある時期を以って一気に変わるなどということはあり得ず,「いつのまにか」主流の字形が変化していくのであるから,まったくなかったとは断定できないのはもちろんである)。
したがって前図の隷書の「居」を明朝体で表現すれば常用漢字字形の「居」の形でよい。こういう判断をせずにバカ正直に同一字形にしようとするから「余分な」文字が増殖を続けることになるのである。
ちなみに明朝体の下の字形は,今回の説明のために作字したものであって実際に存在するものではないが,こういう類の文字は数え切れないほど存在することを指摘しておきたい。

posted by gen : 2008年06月22日 21:15

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Comments

「実際に存在するものではない」とおっしゃっていますが、『新明解漢和辞典』(三省堂)の439ページには、この部分が完全に離れた「居」の字が載っています。また、『明朝体活字字形一覧』によれば、中国の活字ではありますが、「米長老会」の活字はこの部分が完全に離れています。日本の活字でも、「築地五号」はやや離れぎみです。
さらに同じ「尸」を部分字形に持つ「局」の場合は、日本の明朝活字の「宝文一号」「民友35ポ」にもこの部分が完全に離れた活字が載っています。

posted by 々々 : 2008年06月26日 17:16

ご指摘をありがとうございました。
ここで「実際に存在するものではない」と書きましたのは,ここに用いたグリフは平成明朝体として実際に存在するものを用いたのではなく,自分の作字によったものを表示したということを注記したものです。
現在,電子政府用に拡張している平成明朝体の中にも,この字形はありません。平成明朝体として,この文字があるという誤解を与えないためです。
ただし,ご指摘のようにシカバネの文字で左上が開いている形の明朝体はたくさんあります。もっとも代表的な例は,シカバネ(尸)そのものの異体字として左上が開いている形が存在します。しかし,そうしたバリエーションこそが誤った解釈に基づく「余分に創作された」文字なのではないか,というのが私の主張です。
次回に,この点をもう少し補足させていただきたいと考えています。

posted by GEN : 2008年06月26日 23:32

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