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2008年04月15日 …【明朝体デザインの「キモ」とは】

正しい漢字の表現(5)

最小線幅と最小線間の管理について考える。
壁に貼られたランドル氏環を見て行う視力検査は誰もが経験している。これは,5メートル離れたところから7.5ミリの環における1.5ミリの切り欠きを認識できれば視力1.0と定義される。
これをそのまま25センチ視力に変換すると,切り欠きの幅は簡単な計算で約0.07ミリになる。この数値は「視力1.0の人が二つのものを二つに分離して見える閾値」である。これは10ポイントサイズの明朝体の横線幅に近い。
文庫の本文は8ポイント,新書は9ポ,そしてワープロのデフォルトサイズは10.5ポ,10.5ポというのは五号に相当し,伝統的に行政文書の文字サイズに採用されていた。
このような実態からみれば,明朝体の横線幅という数値は重要な意味を持つ。この数値以下では見えない(線がトンデしまう)し,二つの線の間隔がこの数値より狭いと分離して見えないということである(これはあくまでも本文用書体について言えることである)。

【注】
明朝体の基本横線幅は,ウェイトによっても変わらないようにデザインするのが常道であって,その線幅は書体によって異なるものの,多くはほぼ2em,すなわちボディサイズの1/50程度に設定される。
書体デザインの基本仕様として,
  • 最小線幅
  • 最小線間
があるが,本文サイズで使用する書体は,このいずれも2emを基準に考えなければならないことがわかる。
ちなみに,実際に人が目にする文字は,印刷物の場合,その工程,とくにどんな版を使用するのかによって太まったり細まったりするので注意が必要である。トナーを用いる方式では太まる傾向があるので,品質上,最小線間の管理が重要になる。
こうした点の配慮を欠くと,せっかくデザイン上の意を尽くして文字の構造を正確に表現しても読者にはその工夫が伝わらず,結果として構造が曖昧な文字に見えてしまう可能性があり得る。だからこそ,書体(ウェイト)ごとに推奨文字サイズ範囲を明記するべきなのである。

posted by gen : 2008年04月15日 23:53

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