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2008年01月31日 …【表外漢字字体表の「字形問題」】

その4:部分字形「辰」について

四番目は「辰」である。
図を見ていただく方が理解が早いであろう。図で,上が平成明朝体の標準セットの字形,下が表外漢字字体表に用いられた平成明朝体の字形である。

表外漢字表における部分字形「辰」の字形.jpg
部分字形「辰」は,冠脚・偏旁に用いられるが,表外漢字字体表の例字字形としては,辰の3画目起筆位置を,
  • 冠脚に来る場合には2画目左ハライから離す
  • 偏旁(実際には旁)に来る場合には2画目左ハライに付ける
という統一を図った。そのために「蜃」の字形を変えたのである。
この基準は,常用漢字表例字字形として用いられている大蔵省印刷局書体も同様である。この基準を援用したのであろうか。
しかしもともと書体が違えば,この程度の「付く/離れる」は変わって当然である。平成明朝体のデザインは,かならずしもこのようなデザインルールは持っていない。それにも関わらず変更した。
この変更によって常用漢字・表外漢字の両方にわたっての統一的デザインが採用されたことは悪いことではない。しかし平成明朝体として統一されたわけではなく,たとえば「振」,「娠」では離し,「震」では付けており,常用漢字表例字字形とは逆である。
こうしてみると,表外漢字字体表におけるデザイン統一の意義とは何か,ということについての疑問が残る。
ちなみに「辰」の字形について,説文では複雑な説明をしていて,3,4画目の「二」は「上」の古字だと説くが,白川説によれば,「辰」は貝が足を出して動くさまを表わすものという。いずれにせよ,明朝体の辰における3画目の付く/離れるは大勢に影響を与えるものではなく単なるデザイン上のことである。

posted by gen : 2008年01月31日 12:22

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