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2007年11月15日
…【漢和辞典の字形を「斬る」】
「人」か「入」か
漢字の部分字形としての「人」と「入」は,よく置換対象になる。「内」もいろいろに解釈されるが,旧字体では「入」につくる。啓成社版の大字典では,わざわざ【注意】として「俗に冂と人の合字とす。されど本字は入に従うべし」と記している。部首も「入」である。康煕字典においても部首「入」,実際の字形も冂+入となっている。しかし,これを「人」につくる辞典もある。
さて,全字形の「内」はまだよいとして,部分字形となった場合に中が「人」なのか「入」なのかがわかりにくいデザインを見かける。それは漢和辞典の中にも散見される現象である(屋根付きだからと言って「入」と断定することは間違いである)。
とくに「兩」や「齒」が部分字形になった文字などは,もともとデザイン領域が狭いために,よほど意識してデザインしないとどちらなのかがわからない文字になってしまう。
漢和辞典の親字デザインは辞書編纂者とフォントデザイナーの共同作業である。その両者がパーツの特徴をよく理解し情報共有していないと,中途半端な字形になってしまったり,またそのことに気がつかないことにもなる。両者の違いのポイントをうまく押さえてデザインすることが肝要であるが,神経が行き届いていないものも少なくない。
ちなみに『常用漢字表』の「両」のカッコ内字体(いわゆる康煕字典体)では屋根付きの人につくっている。もともと,この旧字体は康煕字典では部首「入」であり,当然,康煕字典でも入につくる。漢和辞典でも入につくるものが多い(大漢和1436など)。すでに,このあたりでもユレがあるのである(大蔵省印刷局の明朝体デザインが,たまたまそうなっていたということであろうが,これが一人歩きをすると怖い)。
posted by gen : 2007年11月15日 11:26