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2007年10月06日
…【漢和辞典の字形を「斬る」】
漢和辞典における漢字の画数属性
言うまでもなく漢和辞典を引くときには総画数を拠り所とすることも多い。中には部首が何なのかがわからない漢字があるからである。それは,部首に対する知識不足だけではなく,部首そのものが文字字形の実態に合っていない場合も多くなっていることにも関係する。さらに漢和辞典によって同じ文字の部首が異なるというものも珍しくない。したがって総画数を拠り所とすることは否定されるべきものではないのである。
しかし,それならば漢和辞典の画数属性はつねに正しいと言えるのだろうか。あるいは,漢字の字形表現は画数を正しく計数することができるようにデザインされているものなのであろうか。
後者については,このBLOGにおいても「敝の画数について」(2007年4月1日),「墨溜りの効用(1)~(4)」(2007年4月11日~5月19日)において具体的に述べた。そこでは文字のデザインによってはなかなか画数を計数することが難しいことを指摘したのだが,とくに漢和辞典のようなリファレンスにあっては,この種のこまかいところにも配慮していただきたいと常々思っている。
今回は漢和辞典における画数属性について,その実態を垣間見ることにしたい。あらかじめお断りしておくが,ここに例示するのは氷山の一角である。また,例として大漢和辞典を挙げたが,私が常用しているその他の漢和辞典においても問題が散見されることも申し添えておく。
大漢和辞典によれば,この文字は部首「土」の12画,すなわち総画数15画とされる。したがって,よくわからない上部の画数は幵と土の合計画数9画を差し引いて6画ということになる。しかし明朝体の様式からは,どんなに少なくとも7画を必要とする。総画数15画はありえない。
大漢和16708だが,複雑なように見えても構成要素は「弓+工+工+羽+羽+殳」であり,比較的理解しやすい。大漢和辞典によれば,この文字の総画数は20画(殳部の16画)となっている。しかし「弓+工+工+羽+羽+殳」の総画数を数えると19画になってしまう。あきらかに1画違うのである。あえて20画にしようとすれば「弓」に見える部品を弓ではないと判断して,ここを4画に数える以外ないのだが,この文字の今昔文字鏡の総画数属性は19画となっているから,大漢和が違うとみて間違いあるまい。
posted by gen : 2007年10月06日 20:57
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