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2007年08月09日 …【明朝体の様式】

明朝体様式のまとめ(2)

ウロコの存在が明朝体を特徴付けていることを述べた。しかし,これには注釈が必要である。
「日」や「目」の横画をみると最上部横画から縦画に移る,いわゆる転折部には角ウロコと称するウロコがあるが,それ以外にはない。このように横画収筆部が縦画に接するケースでは,一般にウロコは付けない。付けるのは横画収筆部が他の線画に接することなく独立している場合である。
しかし明朝体様式として「収筆部が他の線画に接することなく独立している」横画にウロコを付けることは必須なのであろうか。
実は常用漢字表の見出し文字の中で,独立横画にウロコが付いていない文字がある。雨カンムリの文字である(下図--ただしこの書体は常用漢字表に用いられた旧大蔵省印刷局書体ではなく,平成明朝体を加工したものであることをお断りする)。

これは純粋にデザイン上の選択である。どんなに横画が短くとも,たとえばゴンベンなどではしっかりウロコを付けており,ウロコを付けていないのは雨カンムリだけである(いわゆる康煕字典体として添えられた文字の中で「屬」の四つの横画にも付いていないが,同じ部分構造を持つ「遲」では付いている。この差は画線の密度による判断かもしれない)。
常用漢字の字形は,できるだけ常用漢字表に例示された形にするという力学が働く結果,雨カンムリの独立横画にはウロコを付けないというところまで合わせようとするものもある。しかし前述のように,これはあくまでも「デザイン上の選択」に過ぎない。また,ここにウロコが付いていないからといって明朝体ではないという解釈も間違いである。

posted by gen : 2007年08月09日 17:59

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