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2007年08月16日 …【明朝体の様式】

明朝体様式のまとめ(4)

ある書体が明朝体と言えるかどうかという判断は難しい。何を以って明朝体と呼べるのか,あるいは呼べないのかという判断は分類の問題に帰結するのだが,この「分類する」ということが一筋縄にはいかないのである。「明朝体様式」の最終回にあたり,いったん書体を離れ,分類問題を述べてまとめとしたい。
哺乳類の分類で,かつてはウマは奇蹄目,ウシは偶蹄目と教えられた。蹄をみればどちらに属するのかがわかる。その特徴を覚えれば,たとえばイノシシはウシの仲間であるがサイはウマの仲間であることもはっきりする。
しかし1988年に哺乳類の分類が変わってしまい,ウマはウマ目,ウシはウシ目になった。そうなると,何を以ってウマとウシを分けるのかがわからなくなってしまう。こうした名称は理解し易いように見えて,実は分類の根拠がぼやけてしまうのである。
上記の例では生物分類上の「目」の名称であるが,生物部類では,界-門-綱-目-科-属-種の順に細分化されている。「界」は動物界と植物界を分ける最上位の区分であるから,このレベルでの混乱などは考えられないと思いたいが,そうでもない。
「ミドリムシ」は「ムシ」という名が付いているだけでなく,鞭毛を使って泳ぐところはまさしく虫のようなのだが,葉緑素を持ち,光合成を行う植物でもある。一方,「ヒカリモ」は名前こそ「藻」であるが,鞭毛虫の一種にも分類されている。何ともややこしいのだが,これは,どのような分類方法を採ったかによって動物にも植物にもなってしまうということである。
私は情報規格調査会SC34/WG2小委員会で活動しているが,ここではISO/IEC 14496-22 Annex B.のtypeface分類(IBM分類)とISO/IEC 9541-1 Annex 1.のtypeface分類の整合性を検討しはじめている。これらの書体分類についても,分類の思想を理解しないと分析もできないことは言うまでもない。欧米のタイプフェイス分類法については非常に進んでいるようにみえて,実はまだ決定打がないのが実情だと思う。日本の書体分類は推して知るべしである。

次回からは,漢和辞典の字形について取り上げる予定である。

posted by gen : 2007年08月16日 23:51

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