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2007年03月10日 …【明朝体の様式】

「臣」について考える(2)

「臣」は前には6画であったが現在は7画である,という。たしかに「臣」は第四学年で学習する教育漢字であり,筆順も決まっている。明らかに7画である。
それでは6画の時代にはどのように書いていたのであろうか。『漢字源』ではカクシガマエのような字形を示しているのであるが,他の漢和辞典を含めて,明朝体字形としてこのような字形はほとんどみられない。
ところで,いまは部分字形を含めて「臣」はすべて7画なのであろうか。そうとは言えない。別の解釈もあるのである。今回は,この点について漢和辞典をみていきたい。
手元の漢和辞典でもっとも多いのは,「常用漢字については部分字形を含めて「臣」は7画,表外漢字については「臣」を6画に数える」というものである。

  • 角川書店『大字源』
  • 角川書店『新字源』
  • 講談社『新大字典』
  • 学研『漢和大字典』
  • 旺文社『漢和辞典』
  • 三省堂『全訳漢字海』
これらは常用漢字は7画,表外漢字については6画としている。したがって「臨」は18画だが「臥」は8画と,同じ部分字形「臣」の画数についての数え方が異なる。
一方,
  • 大修館書店『新漢語林』
  • 岩波書店『漢語辞典』
  • 学研『漢字源』
  • 三省堂『五十音引き漢和辞典』
においては表外漢字を含めて部分字形「臣」をすべて7画としている。
逆に,
  • 平凡社『字通』
では「臣」をすべて6画として数えている。ただし同じ白川静先生の『常用字解』では7画としている。
つまり漢和辞典によって同じ漢字でも数え方が異なるのである。それでは,これらの漢和辞典ではどのようにこの点について解説しているのであろうか。残念ながらまったく言及していない辞字典もあるが,注記しているものを少し引用してみる。
  • 角川書店『大字源』→画数は本来六画であるが、常用漢字になったときに限って七画に数える
  • 角川書店『新字源』→旧字では六画だが、教育漢字では七画に書く
  • 旺文社『漢和辞典』→もと六画、常用漢字では七画に数える
  • 三省堂『全訳漢字海』→常用漢字では七画とする
以上は常用漢字を7画,表外漢字を6画としている辞典の注記である。これに対してすべての部分字形「臣」を7画とするものにあっては,
  • 大修館書店『新漢語林』→臣は、もと六画に数えたが、いまは七画に数える
  • 岩波書店『漢語辞典』→旧来は総画を6画とするが、本書では現在通行の筆順に従って便宜7画に数える
  • 学研『漢字源』→従来は六画であったが、小学校で学習する筆順の画数にならい左と下の部分を別画に書いて七画とする
としている。
もちろん,すべての漢和辞典の部分字形「臣」字形は同形であってなんら差はない。つまり字形だけからは画数の違いを読み取ることはできない。
さらに問題なのは,私たちのように複数の漢和辞典を持ち,それらを串刺しで確認する者はよいとして,多くの一般家庭では何種類もの漢和辞典を揃えているとは考えにくい。したがって上記のようなユレが存在することなどわからないと考えるべきであろう。
ほとんどの漢和辞典には部首索引があるが,多くの辞字典で「臣」を6画と7画の両方に置いている。しかし大修館書店の『新漢語林』,学研の漢字源(改訂第四版)では7画の箇所にしかない。一方,平凡社の『字通』では6画の箇所だけである。
たったひとつの部首「臣」だけについてみてもこうした問題があるのである。

posted by gen : 2007年03月10日 23:16

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